N150搭載PCとN100搭載PCでは、どの程度の性能差があるのでしょうか。新しいN150を選ぶべきか、安いN100でも十分なのかは、CPU名だけでは判断できません。
Intelの公式仕様と2026年10月3日に確認した公開ベンチマークをもとに、N150とN100の違いを比較します。N95・N97も補助的に取り上げ、PCを選ぶときに見るべきポイントまで整理します。小型PCそのものの種類や選び方から比較したい場合は、小型パソコンの種類と性能を比較した記事で確認できます。
N150とN100は何が変わった?

Intel公式では、N100はAlder Lake-N、N150はTwin Lakeとして掲載されています。発売時期はN100が2023年第1四半期、N150が2025年第1四半期です。
世代は異なりますが、基本仕様には共通点が多くあります。なお、今回確認したIntel公式資料には「N150はN100の正式な後継製品」とする明確な記載はありません。
CPUは基本構成を維持したまま最大クロックが上がった
CPUの仕様差を整理すると、N150で変わった部分が見えてきます。
| 項目 | N100 | N150 |
|---|---|---|
| コア数 | 4 | 4 |
| スレッド数 | 4 | 4 |
| 最大クロック | 3.40GHz | 3.60GHz |
| キャッシュ | 6MB | 6MB |
| Processor Base Power | 6W | 6W |
| 最大メモリ容量 | 16GB | 16GB |
| メモリチャネル | 1 | 1 |
最大クロックはN100の3.40GHzからN150では3.60GHzへ上がり、差は約5.9%です。コア数やスレッド数、キャッシュ、Processor Base Power、最大メモリ容量、メモリチャネルは変わっていません。
つまり、N150はCPUの基本構成を大きく変えたものではなく、最大クロックが引き上げられています。
内蔵GPUはEU数が同じで最大クロックが上がった
内蔵GPUは、N100がIntel UHD Graphics、N150がIntel Graphicsと表記されています。
| 項目 | N100 | N150 |
|---|---|---|
| EU数 | 24 | 24 |
| 最大GPUクロック | 750MHz | 1.0GHz |
| 最大ディスプレイ数 | 3 | 3 |
EU(Execution Unit)はどちらも24基です。最大GPUクロックは750MHzから1.0GHzへ上がり、約33.3%の差があります。
ここで注意したいのは、33.3%という数字が最大GPUクロックの差であって、GPUの実性能差ではないことです。この数値からゲームのフレームレートやGPU性能が33.3%高くなるとは判断できません。
ここまでのCPU・GPU仕様は、2026年10月3日にIntelのN100公式仕様とIntelのN150公式仕様で確認した内容です。
N150とN100の実際の性能差は小さい

最大クロックはN150の方が高いものの、公開ベンチマークではN100とのCPU性能差は小さくなっています。
公開ベンチマークではN150とN100のCPU性能は近い
2026年10月3日に確認したPassMarkの公開データでは、次の結果でした。
| CPU | CPU Mark | Single Thread | サンプル数 |
|---|---|---|---|
| N100 | 5,305 | 1,880 | 約4,100 |
| N150 | 5,342 | 1,892 | 約2,200 |
CPU Markの差は約0.7%、Single Thread Ratingは約0.6%です。少なくともこの集計では、N150がN100を大きく上回る結果にはなっていません。
NotebookcheckのCinebench R23集計でも、N100はSingle平均885・Multi平均2,449、N150はSingle平均912・Multi平均2,494でした。
ただし、どちらのデータもCPU以外の条件まで統一した比較ではありません。PassMarkはさまざまなPCから投稿された結果の集計で、NotebookcheckもN100とN150で測定機種が異なります。数値は公開ベンチマーク上の傾向として見る必要があります。
N95・N97を含めても型番順に性能が高くなるわけではない
N95・N97も含めたPassMarkの集計を見ると、型番の数字と性能順位が一致していません。2026年10月3日に確認した結果は以下のとおりです。
| CPU | CPU Mark | Single Thread | サンプル数 |
|---|---|---|---|
| N95 | 5,283 | 1,890 | 約1,400 |
| N100 | 5,305 | 1,880 | 約4,100 |
| N150 | 5,342 | 1,892 | 約2,200 |
| N97 | 5,802 | 2,021 | 約1,800 |
この集計ではN97がN150を上回っています。Intel公式仕様を見ると電力枠にも違いがあり、N100とN150が6Wなのに対し、N97は12W、N95は15Wです。内蔵GPUもN95は16 EU、N97・N100・N150は24 EUとなっています。
N95・N97・N100・N150は、数字だけが違う同条件のCPUではありません。搭載PCを選ぶ際も、型番の大小だけで性能を判断しない方がよいでしょう。
搭載PCの電力設定や冷却による差も大きい
NotebookcheckのCinebench R23 Multiでは、N150搭載4機種が2,016~2,777、N100搭載8機種が1,577~2,983と、同じCPUでも結果に幅があります。
電力設定の影響が分かる例が、PC WatchによるN150搭載GMKtec NucBox G3 Plusの検証です。BIOSのPower Limit Selectを「Balance」から「High Performance」へ変更すると、Cinebench R23 Multiは2,555から2,919へ約14%上昇しました。
これは1機種だけの結果なので、すべてのN150搭載PCに当てはめることはできません。Notebookcheckの機種間差にも、電力設定だけでなくメモリや冷却、本体設計など複数の条件が含まれています。
N100とN150のCPU名だけを見ても、購入するPC全体の性能までは分からないということです。
N150とN100はCPU名だけでなく価格と本体構成で選ぶ

購入時はN100かN150かだけで決めず、価格やメモリ、SSDなども合わせて比べます。N100搭載PCでメモリ容量に迷っている場合は、N100搭載PCの8GBと16GBの違いも判断材料になります。
価格や本体構成が近いならN150を選ぶ
価格、メモリ、SSD、端子などの条件が同程度なら、N150を選べます。N100と基本構成の多くが共通する一方で、N150はCPUと内蔵GPUの最大クロックが高いためです。
とはいえ、大幅なCPU性能向上を期待して選ぶほどの差は公開ベンチマークから確認できません。PassMarkのCPU Markでは約0.7%差でした。N150を選ぶなら、価格や本体構成が近いことが前提になります。
N100が安いなら価格差と本体構成を優先して判断する
N100搭載PCの方が安ければ、N150というCPU名だけを理由に高いモデルを選ぶ必要はありません。比較するのは次の項目です。
- 販売価格
- メモリ容量
- SSD容量
- 必要な端子
- 本体の冷却や電力設定
今回の公式仕様とベンチマークから、「○円差までならN150」という金額は決められません。販売価格は製品や販売店、セールによって変わるため、購入時点の価格と構成を照らし合わせます。
N100・N150搭載のミニPCを探す場合も、CPUだけでなくメモリやSSDなどの構成まで比べて選べます。MINISFORUM製品まで候補を絞っている場合は、MINISFORUMのミニPCを用途・性能・価格から選ぶ方法でラインナップを比較できます。
N100とN150はCPU名だけで決めず、実際の販売価格とメモリ・SSDなどの構成を比べることが大切です。MINISFORUMでは複数のミニPCを確認できるので、現在の価格と構成を見比べながら候補を探してみてください。
同じCPUでもメモリやSSD、価格はモデルによって異なります。N100とN150のどちらにするか迷っているなら、CPU名だけでなく欲しい構成まで含めて比較すると選びやすくなります。
まとめ
N150はN100よりCPUと内蔵GPUの最大クロックが高いものの、コア数やスレッド数、キャッシュ、6Wの電力枠、24 EUなど基本仕様の多くは共通しています。2026年10月3日に確認した公開ベンチマークでも、CPU性能に大きな差はありませんでした。
価格や本体構成が近ければN150、N100搭載PCの方が安ければ価格差とメモリ・SSDなどの構成まで含めて比較する。この基準なら、CPU名の新しさだけに引っ張られず選べます。

